多くの患者さんが、自分の体のちょっとした異常(たとえば肩甲骨や骨盤の周りの筋肉が硬くなったり弱くなったりしていること)に気がつかないまま無理をしてしまい、その結果として肩の痛みや腰痛などを引き起こしてしまいます。 特に、スポーツ障害では自分の体の異常に対する認識不足とコンディショニング不足が目立ちます。 当院では、自分ではなかなか気がつくことが難しい痛みの原因となっている体の異常を見つけ出し、リハビリ(理学療法)中心に治療していきます。 特に、投球による肩・肘の障害に対してはスポーツ専門理学療法士と共に、競技復帰はもちろんのこと、パフォーマンスの向上をサポートいたします。 投薬や理学療法での改善が困難な患者さんに対しては、MRIなどの精密検査を行った上で、必要であれば体に負担の少ない鏡視下手術などの最小侵襲手術を行い、日常生活やスポーツ活動への早期復帰を目指します。
関節周囲に炎症が強く生じている時期には、炎症を抑える効果の高いステロイド剤を投与します。内服に比べて注射の方がピンポイントに炎症部位へ投与できるため高い効果が得られます。注射が嫌な方でなければ、痛みが強い時期は注射を行うことが多いです。糖尿病の方は、ステロイドの投与で血糖コントロールが悪くなる場合があるので、ヒアルロン酸の注射を行うこともあります。また、非ステロイド系の消炎鎮痛薬の内服を併用したり、夜間の痛みのために睡眠障害を訴えている方には睡眠導入剤などを投与します。
関節に注射するからといって特別痛くはありません。インフルエンザの予防接種と同じくらいです。
普段通りお風呂に入れます。昔は、注射した部位からばい菌が入ると考えられていたので、注射をした日はお風呂に入らないようにと指導している先生もいました。今は、ばい菌が入ることはないとわかっているので、私は水にぬらしても大丈夫ですと説明しています。むしろ、お風呂に入ってリラックスする方が、痛みの原因になっている筋肉のリラクゼーション効果が得られるのでお勧めしています。
打撲や捻挫、骨折などの外傷で腫れているときは冷やすのが基本です。また、投手が連投した場合などもクーリングを行います。それ以外は、暖めた方が良いことが多いです。通常、肩の障害やスポーツ障害では筋肉の緊張や硬さが痛みの原因になっていることが多いので、暖めることで血行が良くなり筋肉のリラクゼーション効果を得られるからです。温泉やホットパックなどの温熱療法が効果的なのと同じです。
大量のステロイドを長期間内服している方は、いろいろな副作用が心配されますが、私が処方する量は少量であり期間も短期間のため、副作用の心配はありません。
患者さん一人一人の体の状態によって理想的な回数は決まってきます。平均すると週に2回くらいだと思います。
MRIは連携病院(明石市民病院、大久保病院、明舞中央病院)で行い、説明は当院で行います。